面に対する応じ技の奥義(まとめ)
剣道の応じ技には、抜き技、すりあげ技、返し技、打ち落とし技があります。試合では相手の動きの変化に応じて技を出していくことが試合に勝つためのポイントです。
剣道の試合において、相手の面に対する応じ技は、相手がくるところを抜く、すりあげる、返す、打ち落とす、という巧妙な竹刀さばきによって、相手を崩すことで上手くいきます。
やはり剣道では、応じ技を出したほうが試合で勝っていることが多いものです。例えば、面すりあげ面の竹刀さばきによる半円、面返し胴での表鎬の動きは、相手の剣先の方向や体の向きを巧妙に変え、崩れた状態を作り出します。
応じて崩すということは、自分の竹刀さばきによって相手の剣先の方向や相手の体が向かう方向を変えるということ。
これは普段の練習の時から、竹刀さばきによって、相手の打つ方向や進んでいく方向がどのように変わるのか、しっかり研究しておく必要があります。
また、これは既にお伝えしていますが、相手の動きを待っていては、相手が動いて技を出した時に出遅れます。そのため、気持ちが「待ち」の状態ではなく、常に先を取ることを意識して攻めていくことが大切です。
具体的な技で技で説明すると、面すりあげ面の場合は、自分から前に出ながら相手の面に対して半円を描きながらすりあげて中心を取り、面を打ちます。
面返し胴の場合は、相手の面を表鎬で返しつつ、相手の左斜め前に体をさばき、相手の右胴を打ちます。前腕の返しを意識しつつ、技を受けてから胴を打つまで一拍子になるようにします。
その際、できるだけ自分の前方で前腕を返して右胴を打つようにしたほうが良いでしょう。
面抜き面の場合は、後ろ、あるいは右斜め前に体をさばきながら相手に空を打たせ、すぐさま面に転じます。そのためには、すぐ打てるように姿勢を崩さずに抜くことを意識して練習しましょう。
いずれの技の場合も、攻めて誘い出すことを意識するといいかと思います。そして、試合では応じと打突がひとつになるイメージを持つようにします。
剣道の試合において、相手の面に対する応じ技は巧みな竹刀さばきと体さばきによって、相手の仕掛け技を封じ、即座に打突につなげる必要があるからです。
練習段階から相手の動きを徹底的に研究し、臨機応変かつ的確な竹刀さばき、体さばきを身につけることが、試合で勝利を収めるための不可欠なスキルと言えるでしょう。
とはいえ、実際には難しいものです。そのお手本となるのが剣道上達革命です。教士八段 香田先生のわかりやすい解説が目から鱗です。