身長が低い選手は足さばきを駆使しよう
剣道では今も昔も、身長の低い選手には技巧派が多いと良く言われますね。
基本的には剣道では竹刀を介して行うので、直接的な力のやりとりは少なく、柔道のように体重別などのクラス分けは剣道にはありません。
しかしながら、相手と自分の竹刀が交差する一足一刀の間合いで相対した場合は、身長の高い選手のほうが腕を伸ばして届く範囲であるリーチが長い分だけ、離れた立ち位置から相手を打突で捉えることが出来るので有利になるでしょう。
ですが、剣道では相手と自分とのあいだには「間」があり、身長の低い選手はこの間を上手く利用することによって、身長の高い選手と対等に戦うことが出来るのです。
そして、この時に大切になってくるのが、全ての剣道の動作のみなもとである足さばきです。
剣道では床を足の裏でするようにして歩くすり足を土台に、送り足や継ぎ足、開き足、歩み足という4つの足さばきが使われ、前後左右にスムーズに動かすことによって、攻撃をかわし相手との間合いを詰めて技を仕掛けやすい有利な間合いを作っていきます。
そして、身長の低い選手は、大きい選手に比べ俊敏で小回りなども利くので、不利な面ばかりではなく有利な面も持っているのです。
ですが、最近の剣道では、日常の歩き方と同じように進行方向に対して両足を左右交互に踏み出していく歩み足を積極的に使わない傾向があるように感じます。
その為、長身の選手ばかりが有利になっているように思います。
歩み足は、左足を前に踏み出しても、それほど体が前に動くことはありませんが、送り足は右足を踏み出す際に、前に体が大きく出るので、それだけ相手に察知されやすいです。
身長が高くてリーチがあるならあまり気を使う必要もなく、さほど問題はありませんが、身長の低い選手が相手に悟られないように間合いを詰めるには歩み足を積極的に使うことも必要になるわけです。
いずれにしても、身長の低い選手が背が高い選手と同じことをしていたのでは当然分が悪くなります。
つまり、足さばきの体得いかんで試合に勝つか負けるかが決まるとも言えるので、常日頃から送り足と歩み足の違いを活かすことを意識して練習や実戦に臨むようにすると良いでしょう。