中盤以降の攻め方(一本先取時)
一本先取している場合は、中盤以降の攻め方を変える必要がありますね。
剣道の試合で序盤に一本先取したなら、その後も強い攻めが必要になりますが、かと言って、中盤以降も序盤と同じように攻めるのはよくありません。
何故なら、相手の心理状態を察すると、当然、中盤以降は相手にも焦りが出てくるので、早く打ちたくて仕方ない心理状態に変わってきています。
そんな時に間合いを詰めてしまうと打たれてしまう可能性があるので、一本先取時の中盤以降の攻め方としては、間合いを相手との竹刀の先が触れる程度になるように遠間にして、小さく攻めるようにした方が良いでしょう。
例えば、竹刀を払う際も、大きく払うのではなく当てるだけだったり、手元を少し動かすだけでも相手は反応してくるものです。また、遠間で半歩ほど右足を前に踏み出すことで、間合いを詰めたと相手に錯覚させることもできます。
相手が技を出してきても、前に出していた右足を引くだけで、遠間に戻ることも出来ますし、右足が生きているようなら、そのまま攻撃も出来ますね。
このように小さく攻めるだけでも、相手は焦っているので技を出そうとしてきますが、間合いが遠いので、相手には不十分で当てられて1本取られる可能性は低くなります。更に距離がある分、こちらも応じやすくなる筈です。
また、中盤以降で一本先取しているようなら、相手に焦りが出てきて不用意な打突や無駄打ちも多くなってくるので、応じ技や返し技でしっかり応じることで、1本取りやすくなってくるでしょう。
更に、焦りで相手の無駄打ちが多くなってくれば、必要以上に体力が消耗して呼吸が乱れてくる筈です。そうなると鍔迫り合いになった時など、呼吸を整えようとしたくなるものです。
通常、息を吸う瞬間というのは動きがとれないので、その時を狙って引き技を出すのも効果的です。
なお、終盤まで勝っていて、残り時間が少なくなってきたからと言って、逃げ切ろうと思ってしまうと、防戦一方になってしまい非常に危険です。
相手は不十分な体勢でも打ってくるので、そこに必ず隙が出来ます。
その隙をついて打突しておけば、例え決まらくても恐怖心を与え、相手に打ちにくくさせる効果もあるので、打突する時は形だけじゃなく、しっかり体を出して竹刀を振るようにしましょう。