腰で打つ!すり足で行う基本稽古
剣道の正しい打ち方は腰で打つこと。
剣道をしている人なら、“手で打つな足で打て”“足で打つな、腰で打て”という格言を一度や二度は聞いたことがあると思います。
これは打突において、腰の引けた前傾姿勢になるのを戒めた言葉です。
身体が前傾してしていると急な動きに対応できず、相手に隙を与えてしまうことになります。
ですが、長年剣道をしている方でもこの悪い癖に陥ってしまうことも少なくありません。
初心者なら尚のこと、腰で打つ剣道を身につけることは容易なことではありません。
素振りでは、前傾姿勢で竹刀を振る人はいませんが、いざ試合になると速く部位に当てて1本をとりたいという気持ちの焦りから前傾姿勢になってしまうものです。
そのようなときは、早く部位に当てたいという気持ちを捨てて、基本の足さばきであるすり足(送り足)の基本稽古に取り組んでみてください。
腰で打つということは、腰の位置が常に水平移動をしているということ。
すり足で足を滑らせるように動かすことで、身体の上下動を抑えることができます。
具体的には、大きくすり足で面や小手面を打つ、更には切り返しなど、丹田(おへそあたり)に力を入れて体勢をできるだけ崩さずに行います。
腰で打つという正しい剣道の打ち方を習得すれば、結果、前傾姿勢で打突するよりも相手をより早く打てるようになります。
ちなみに、なめらかな足さばきをおこなうには正しい足の位置で構えることが非常に大切です。(足構え)
左右の足幅が広い、狭い、左足が外側を向く撞木足、左足のかかとが上がりすぎるなどは、動き出しが悪くなるので基本にかえりましょう。